マンゴと黒砂糖

ドキュメンタリー映画です。
太平洋戦争。沖縄からサイパンへ行って戦っていた人たちと
サイパンチャモロ族の人たちとの戦後の交流が主軸です。
兵士だった人の体験談や、サイパン日本人学校の教師をしていた人の話、
チャモロの人の態度、そういうのを映し出してました。


私は戦争に強い関心があるとか、そういう人ではなく、
いたってありがちな若者です。


ただ、大学4年生の時、
両親が沖縄出身者で自分は埼玉生まれ埼玉育ちだという6代上のサークルOBが
酒の席で私にずっと
「沖縄のこと、おまえはどれだけ知ってるんだ?」と食いついて食いついて。
私は教科書で習う程度しか知らないと素直に答えたら、
「どうせ、みんなそんなもんだよな」と横で先輩に捕まって
ずっと先輩の沖縄への想いを聞かされたことがあります。
その時、本当に先輩の言うとおりにその程度しか知らないし、
先輩の指摘することはその通りだな、って思って。
先輩の抱える何かの想いを感じて、
全く同じように共感はできないにしても、感じて、
私は始めて人前で涙を流しました。
うまく言葉にできないのですが、言葉じゃなくって、
先輩の何かを感じて、泣けてきたのです。


■余談■
そしたらその先輩が「やっぱお前かわいいな」とか言い出して胸触ってきて「ホテル行こう」って言われて。おこちゃまだった私はびっくらした。食いつかれていたのは気に食わないと思われていたからだと思っていて。(ははぁ。気になる子だと食いついていじりたくなるものなのか)ってことを学んだ瞬間。触ってくる手を払いのけて『行きません。婚約者さんがかわいそう。どうせ自分だってあとで後ろめたくなりますよ?』と言ったら「そうだな…」って引き下がってくれた。「お前って、思ったより固いんだな。」と言われて(そんなに軽そうなのか!)ってショックをうけたけど。(男としての精一杯の強がりなのかな?)とも思って、確かに誘いを断られたわけだし、ってことで、少しくらい私が嫌な思いをしても仕方あるまい。なんて思ったものです。あたし、少しオトナになった22歳の夏。

5年前、ベトナムに旅行した時、時間が余ったので「戦争記念館」に入って。
そこでベトナム戦争の記録や証拠品を見ていると、
長崎の原爆資料館なんかよりもずっと身近に戦争を感じてしまい。
ベトナム戦争を伝えたい、という想いがヒシヒシと伝わる空気があって。
あのときから、少し戦争について感じるようになった気がします。


3年前、普通に観光旅行の気分で母と父を連れてグアムに行きました。
母親がどこでもいいから旅行に連れて行ってくれ、と急に言うので
急にでもいけるところと思って行ったのですが、
グアムにはあちこちに日本軍がいた跡があって。
あと、チャモロ族のごはんとか食べられる場所へ私はひとりで行ったこともあって。


この映画はサイパンだったけど、グアムを見ていただけになんとなくわかるなぁ、
という感覚で、グアムの経験があったから、少しだけ身近に観ることができて。
チャモロの人たちの顔も「わかる、わかる〜」って思ったし。
そういう感覚なので、戦争を伝え続けたいという同じ想いで繋がっている
チャモロと沖縄の人たちの関係性がなんともいえない想いで観てました。


別に真面目くさって戦争はいけないことだぁ〜!と学ぼう
とかは思わないけど、
もっと私たちは自分たちの戦争について触れる機会があってもいい
と思った。
私は幸いにも
旅行でなにかと触れる機会が大人になってからできたからよかったけど、
子どもの頃、若い頃、与えられる機会が少ないと思う。


いや、違うかな。
高校の時、長崎の原爆資料館には行ったし、
小学校の時は沖縄出身者の仲里くんのお父さんが
沖縄の資料をたくさん持ってきてくれて
自発的に沖縄の話をしてくれた覚えがある。
機会がないわけでもないけど、吸収する準備ができていないと
機会があっても身につかないってことか。


それとも、そういううっすらとした体験があったから、
吸収する準備ができた時に、感じることができたのかな。


わかんなくなってきた。
でも、自分が何も感じない人間じゃなかったことだけでも、
自分を嫌いにならないな、とか思う。