エターナル・サンシャイン(9/17追記、完成。)

泣いたんだよ。はぁぁぁぁ。

まず、とにもかくにも、映像っすよ。

ホワイト・ストライプスのPV観た時、面白いなぁ。この、なんつーの?技法的なことはわからんけど、この映像の繫ぎと繫ぎがムニュムニュする感じ。これ面白いなぁ。とか思ったんだけど、このムニュムニュ感がこの映画でもくすぐったいくらい感じるんだよね。
似たような動きで「トレインスポッティング」を思い出すけど、私はどうもあの映画がわからなくてね。ドラッグを、ヤク中を、おしゃれにかっこよく映せばいいってモンじゃねーよ。とか思ってしまうくらい、ストーリーとしても映像としても、あの映画はなんとも思わなかったんだけど、これがまた、世の中では大評判だったもんだから、多くの人がこの映画いい!って思ったのはどんなところなんだろう?って思う、不思議な体験をしたっけ。「シャロウ・グレイブ」でこのキワキワの心理描写がなんてすごいんだ!と感動しただけに、ダニー・ボイルにがっかりだったっけなぁ。映画は監督と同じくらい脚本が重要だな。なんていっぱし気取りで思ったっけ。

と、くれば、ストーリーですよ。

ジム・キャリーの恋人のケイト・ウィンスレットが、ケンカの末に別れを決意して、脳をいじくって記憶を消す機関で彼との記憶を消去します。そのことを知った元カレのジムさんはケイトさんともう元に戻れないと思い、自分もケイトさんとの記憶を同じ機関で消すことにします。その消去作業の間に現在の記憶からケイトさんと出会うまでの過去の記憶を辿っていくうちに、記憶の中の過去のケイトさんと語り合い、向かい合い、自分にとってのケイトさんの存在の大切さを改めて実感するのです。ジムさんは記憶を消去することをやめようって思うようになります。記憶を消したはずのジムさんの記憶の中のケイトさんも語り合い、向かい合うことで、ジムさんとの関係を見直します。
・・・っていう、不思議感覚の完全ラブストーリーなんだけど、いやみがないのよ。恋愛映画にありがちな鼻につくのもないし。私は恋愛映画はダイッキライなんですが、「恋しくて」「或る夜の出来事」に継ぐ「好きな恋愛映画」に入りました。

メメント」みたいに、過去なんだか現在なんだかよぉわからん時間軸の展開なので、きっちりきっちりあれがこうなってそれがその次こうなって…って映画を観たい人には「だから、なんでそうなるわけ!?」って気になってしまうかもしれない。
私は、こういう展開も気にならないので、それよりもそこを狙って何かを訴えようとしている映画全体のつくりの方が作り手の想いが感じられてよかったな〜。

記憶の中で語り合う、ケイト・ウィンスレットの言葉の一つひとつが、私にとって共感できる考え方だったからというのもあるかもしれない。好きな男性への女としてのスタンスっていうか。どの場面でのどういうセリフだったかまで、覚えてないので、またDVDで観た時にでも確認できればいいなー。

キャスト

ジム・キャリーのくどい顔が苦手で、コメディー俳優をバカにする気はもちろんないのだけど、彼のコメディー映画を観る気にもなれなかったんだよね。
ジム・キャリーよかったよー。コメディの彼もきっといんだろうけど、悲しいような必死なような嬉しいような…そんな感じがとってもよく出てました。他の俳優だったら違った印象を受けた映画になったかもしれないって思うほど、よかった。
ケイト・ウィンスレットは「タイタニック」の時散々書かれて、イギリスの俳優がハリウッドで有名になるとなぜこうも書かれるのか?って思ったけど、その後も「一発屋」と書かれたのをくつがえすように地道に映画を出てくれている様子なので、おばさん応援しちゃうのよ。ついつい。とかいいつつ気になってる「ホーリー・スモーク」もまだ観てないんですけど。ついでに検索してみたら、私よりずっと若いと思ってたらそうでもなかった!しかも二度も結婚してる!なかなかしぶとい強さを持つ女性のようで…。
記憶消去した後ケイトさんと付き合う男性がどっかで見た顔だと思ったらオーランド・ブルームでした。周辺の女子が「かっこいい〜」って騒いでたのでおぼろげに覚えてたけど、正直興味がわかない俳優さんだ。

ってことで、普段から映画を観る友人が居たら絶対にお勧めする映画。普段はあまり観ないけど、TVですんごいCMやってたから観に行く的な人には安易に勧めると「わけわかんない映画だった。で、結局、あのふたりってより戻ったってだけでしょ?」みたいな反応が返ってきそうな映画。(過去に「12モンキーズ」に大感激して興奮して友達に語りまくってたら、こんな結果になったことがある)