家族百景/筒井康隆
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1975/03/03
- メディア: 文庫
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筒井康隆のエスパー七瀬ちゃんが登場する小説。
「エディプスの恋人」「七瀬ふたたび」を読んでいるのに、最初のコレをなぜか読んでいなかった。
***
私は小説を読んでいるとき
文字を追いながら額のすぐ前に映像が浮かんでいるような感覚
があるのだけど、
その画像が時にはワクワクしたり楽しめるのだけど
この「家族百景」ではとにかくつらい。
画像だけじゃなくて
臭いとか
触感とか
感情が
額から
みにょーん
と自分の中に入り込んでくる感じがするんだよね。
この感覚は少し
保護児童が暮らす施設で生活心理療法士をしてた頃
自分が「ソコにいるだけ」で
皮膚の毛穴から子どもたちの絡み合う感情を吸い込んでる気がして
毎日帰宅するとグッタリしてた感覚と似てる。
似てるが今回は生身の人間ではなく小説。
なのにえらくグッタリ。
おかげで全然読み進まない(笑)。
陽子さんの高速道路の死亡事故の画像が額に浮かんだところで
ギブアップ!
うはあー。
だみだ。なんか、だみだあー。
あー。
***
2008年11月30日 20:56
今日も気持ち悪くて食欲なし。
本は広げられず。
2008年12月01日 19:42
どうせならどっぷり浸かろう。
と覚悟して
この日は
コールドケースと4400を見続けて
社会の不条理さとか人間の怖さとか
そんなん感じながら
1日もぐらになっていた。
***
【追記】
あれから、どうしてこんなにこの小説がつらいのか、考えてみた。
たぶん、普段の仕事にあまりにも近いから、私にとっては「小説」として距離を取れず、「いつものこと」として受け取ってしまうからなんだろうという、結論。
特別なコトじゃないんだよねぇ。この家族百景のどの話も。私にとっては。
そうして、まだ陽子さんの話の次を読み進めていない。
そのうち最後まで読みます。