クラッシクシリーズ 千里眼/松岡圭祐

クラシックシリーズ1 千里眼 完全版 (角川文庫)

クラシックシリーズ1 千里眼 完全版 (角川文庫)

ええええ。いくら小説とはいえ、それって…。
と突っ込むところはいくつもあったけど、それでも書き直して随分とリアルにしたんだそうな。
とはいえ、ついつい先が気になってどんどん読んじゃう小説でした。
今日4時間で読んじゃった。


千葉県出身者としては、知ってる場所が出てきて「千葉を広告してくれてありがとう」って気持ちにもなった。
東京湾観音。大学生のとき、きのさんとteruさんとドライブして登ったよなぁ。


リアリティを追求しているとのことで、心理士のお仕事を比較的誇張しないように書いていただいているとは思いつつ、やっぱりどうしても「おぃおぃ…」と思う表現もあったけど、思えば他のシーンでも「そうなの?そんなことできちゃうの?」って部分があっても、自分が知らないとワクワクドキドキ読むわけだから、片目つぶって読むことにしました。


やっぱり臨床心理士ってなんでも見抜いちゃうだとか、なんでもできちゃうような設定にされやすいのかなぁ?表情筋で相手のココロの見抜きますだなんて、そんな(苦笑)。心理学はココロを見抜けるのか?って問いに対しては、きちんと説明しているのに、そのすぐ数行後には表情筋で気持ちがわかる、ってな話題になるところが、微妙。


とか、書いてるけど、小説の主人公のように
「マインドコントロールというのは社会心理学的には何も言われてないんですよ」
って、私も何かと言ってたっけなぁ…と思い起こすと「ある、ある。それ。」ってシーンもあって。
心理学は今は認知心理学が主流になってきているってのも、確かにそうだし。
よく調べてるなぁってすごいと思いました。


でもなぁ。前頭葉の除去する手術をしてああなりますとはやっぱり現実的じゃない気がするなぁ。理屈じゃそうなんだろうけどさぁ。
などと、ついつい、楽しんで読んだんだけど、読みながら/読み終わってから、いろいろ考えてしまうのでした。


心理屋なんて、たいしたことできないですよ。
もっとなんでもできそうな職業を選ぶとしたら、理学療法士が事件に関わって解決していっちゃうとかの方が、職業的に面白そうなんだけどなぁ。
どっかの作家で理学療法士を主人公にしないかなぁ。それ、読んでみたいけどなぁ。