ヒューマン・ネイチュア

アメリカ映画って自国を風刺するのがうまいなぁって思う。そんな映画。
ブラックだよ。どこまでもブラックだよ。でも、私にはすんごく面白かったよ。
「あなたらしく」とか「自分らしく」とか、そんなキーワードが何かしら焦点づけられる現代ですが、そんなキーワードすら笑い飛ばしてしまう映画。でも、結構考えさせられる。「自分らしくって何?」って。

  • 確かに親からの強迫観念的指導、ダブルバインド(二重拘束)、精神的虐待があって、それに縛られて生きてきた博士。でもやり直せる機会も何度かあった。己を知り、その機会を活用しようとするかどうかで、最期が変わったのかも。
  • 「魂を犠牲」してまでも男性に尽くす女性。彼女は、やっぱり最後まで尽くす生き方だった。それが他人から見たら「犠牲」かもしれないけど、自身は幸せだと思っている。
  • 「いまの自分にとって生きていくには利用価値がある人」を選んで生き続ける男性。父親がどういう人でどういう育て方をしようと、そこが揺らがない限り、クレバーな彼はこうやって生きていくんだろうな。
  • どんなに「動物」で生まれてきても、育った環境は否定できない。自然に返されても生きにくくなってNYへヒッチハイクするネズミ。これが、一番、シンプルに、風刺されてる気がする。

セックスシーンがあちこち出てくるので、一緒に見る相手を選んだほうがいいのかも!?